証券会社を変更するとき、必ずしも保有資産を売る必要はありません。現物移管は、対象となる投資商品をいったん現金化せず、そのまま別の会社へ移す手続きです。ただし、受入会社がすべての商品、口座区分、端株を扱えるとは限りません。
ここで扱うのは、所有者を変更しない米国の課税証券口座です。退職口座のロールオーバー、贈与、相続、口座名義変更は別途確認が必要です。日本の特定口座やNISAの移管制度の説明ではありません。また、現物移管を申請すれば売却、費用、税務上の影響が一切ない、という意味でもありません。
最初に受入証券会社へ確認する
申請前に、受入会社に現在の口座明細を確認してもらいます。法的な証券会社名、口座名義、移管方法、個々の保有商品を確かめてください。同じティッカーがアプリに表示されるだけでは十分ではありません。
SECの口座移管に関する解説は、受入会社の役割や、対象外の商品、不完全な指示による問題を説明しています。ACATSは移管方法の一つであり、すべての移管が使うわけではありません。一律の日数を保証と受け取らず、自分の口座に即した見通しを確認します。
移管先が未定なら、まず証券会社・投資プラットフォームの比較で商品対応、サービス、費用を整理します。キャンペーンがあることと、保有資産を受け入れられることは別問題です。
商品ごとに例外を整理する
最新明細と未完了の取引を確認してから、全部移管か一部移管かを選びます。
| 商品・債務 | 申請前の確認事項 |
|---|---|
| ETFや株式の整数株 | この銘柄を現物で受け入れ、移管後も保有できるか |
| 端株 | 移せるか、残すか、売却が必要か |
| 独自商品や非対応ファンド | 新会社が保管できるか、旧会社に残す必要があるか |
| 制限付き証券、オプション、信用借入 | 承認、担保、取引制限、別の指示が必要か |
| 現金と未入金の分配金 | 最初に移る分と、後日発生分をどう処理するか |
理解していない例外を解消するためだけに売却を承認しないでください。課税口座で売れば、その後資金を移す目的でも損益を実現することがあります。代替手段と対象ロットの影響を確認します。
一部移管なら非対応資産を残せますが、旧口座の手数料、最低残高、管理作業も残る可能性があります。全部移管では旧口座が閉鎖されたり、利用が制限されたりする場合があるため、実際の手続きを確認してください。
アクセスが変わる前に記録を保存する
最近の明細、売買確認書、入手済みの税務書類、ロット別保有一覧を保存します。取得日、数量、調整後取得価額、分配金再投資や企業行動の記録も整理します。書類は非公開で安全に保管し、問い合わせのために口座明細を公開しないでください。
FINRAの取得価額の解説は、自分でも裏付け資料を保存する重要性を示しています。証券会社の画面は便利ですが、表示が不完全でも取得価額を確かめる必要はなくなりません。
「銘柄識別情報・予定数量・受取数量・未解決差異」の照合表を作り、現金とロット情報は別に確認します。処理中に価格が変わるため、ポートフォリオの時価合計だけを照合基準にしないでください。
手数料、日程、取引制限を合わせて確認する
両社に移管出庫、受入、口座閉鎖の費用と、返金がある場合の条件を確認します。既知の費用に使える現金を確保し、証券が自動的に売却されるとは想定しません。
未約定注文の取消、取引決済、自動積立、配当再投資の設定に何が必要かを確認します。取引を止める期間は両社と調整してください。移管中の売買は受渡しや照合を複雑にする可能性があります。
近く出金や重要な取引が必要なら、その直前の移管は避けます。処理中にアクセスが中断する可能性があり、完了予定日は現金の備えの代わりになりません。移管先で保有や売買ができない商品は、申請前に扱いを決めます。
数量と現金、その後に取得記録を照合する
新口座に残高が出たら、銘柄と数量を保存済みの明細と比べます。売買、分配、株式分割など、記録で説明できる変化を反映し、現金、手数料、旧口座の未完了取引も確認します。
取得日と取得価額はロット別に点検します。資産と取得情報が同時に表示されるとは限りません。空欄は取得価額ゼロを意味せず、移管日の時価が自動的に新しい取得価額になるわけでもありません。 何を送ったか、いつ反映されるか、誤りをどう訂正するかを両社に問い合わせます。
売却前には、新口座の標準売却方式とロット指定機能を確認します。FIFOと特定ロット指定では結果が異なり得ます。以前の設定が自動的に引き継がれたと判断しないでください。
未解決事項、回答、訂正版明細を保存します。問い合わせでは金額差だけでなく、銘柄、数量、該当日を伝えると照合しやすくなります。
後日入金と書類まで確認して完了する
本体の移管後にも、配当、利息、現金が旧会社へ届く場合があります。残余資金の送付方法と、自分に必要な操作を確認してください。後日の明細や税務書類へのアクセスを残すか、利用終了前に別の受取方法を決めます。
新口座の自動投資、受益者、付帯サービスも確認し、証券と一緒に移ったと想定しません。投資方針書は口座移管と分けて考えます。保管先の変更だけで投資目的まで変える必要はありません。
移管完了とは、画面が埋まることではなく、数量、現金、費用、残った動き、裏付け資料を説明できる状態です。
根拠から行動へ
方法と根拠
根拠
情報源
- 投資家向け解説:投資口座の移管
sec-account-transfers-2014U.S. Securities and Exchange Commission公開2014年6月27日参照日2026年9月2日
- 取得価額の基礎
finra-cost-basis-2024FINRA公開2024年4月16日参照日2026年9月2日
よくある疑問
よくある質問
現物移管ならすべての保有商品が移りますか?
いいえ。受入証券会社が商品と口座種類を扱える必要があります。端株、独自ファンド、制限付き資産、借入を伴う残高は別の指示が必要な場合があり、事前確認が必要です。
移管後の取得価額が空欄なら時価を入力しますか?
いいえ。表示欠落は新しい取得価格を意味しません。売買確認書とロット記録を保存し、両社に照合を依頼して、売却や申告に利用する前に不一致を解消します。
移管後も旧証券口座に配当が入りますか?
先に保有していた資産に関連する配当などが後日入金される場合があります。残余現金の送金方法を確認し、照合が終わるまで明細と税務書類へのアクセスを確保します。


